中央アルプスで三つの山小屋を運営する宮田村の第三セクター宮田観光開発は26日、ヘリコプターを使った今季初の荷上げをした。宝剣岳の宝剣山荘(2870メートル)と駒ケ岳近くの頂上山荘(同)にヘリを使って燃料や食料を運んだ。夏山シーズンを前に、山を楽しむ人たちを受け入れる準備を始めた。
ヘリは麓の黒川平から、1回500キロの荷物をつり下げて約30往復した。軽油はドラム缶25本、ビールは80ケースを荷上げ。灯油やプロパンガス、保存が利く食品や、水源から水を引くホース、環境省のライチョウ保護事業で使うケージも運んだ。
宝剣山荘は4月から週末の営業をしているが、近くの天狗荘と頂上山荘も含めて7月から本格的に営業する。昨年は新型コロナウイルスや悪天候の影響で三つの山小屋の総売り上げが例年に比べ半減。三つの山小屋とも、今年も収容人数を例年の半分に制限する。宮田観光開発の田中正泰社長(59)は「厳しい状況が続くが、山荘はなくてはならない。早く前のようににぎわいが戻ってほしい」と話していた。