各地の農業者でつくる農民運動全国連合会(東京)の設立者の一人で佐久市出身の故小林節夫さん(1925~2016年)が遺した資料を展示する「節夫文庫」の開所を祝う会が30日、佐久市中込であった。呼び掛け人135人が全国から募金を集め、小林さんの実家にある離れを改修。関係者は小林さんの思いを次世代につなぎ、地域住民が集まる「小さな文化拠点」になることを願った。
小林さんは昭和30年代に佐久地域の酪農家が乳価を上げるよう求めた「乳価闘争」を主導。1989年に連合会を結成し、初代代表として農産物輸入自由化反対運動を引っ張るなどした。
文庫は約50平方メートルでキッチンと茶室もある。食や農業に関する資料を年代や分野別に展示。小林さんが生前使っていた机の上には著書や蔵書を並べ、「一箸でも一口でも国産品を」と、国産農作物への思いを象徴する直筆の書も飾った。呼び掛け人の一人で元酪農家の依田発夫さん(88)=小諸市=は「食、農、人を大事にする小林さんの思いに心を寄せる場所にしたい」とする。
見学は無料。会議などで利用することもできる。毎週土曜日の午前10時~午後4時に開館。開館日以外は予約制で入館できる。問い合わせは事務局の湯浅ちなみさん(電話090・4814・9680)へ。