小諸市の市立小諸高原美術館は６日、「政所(まんどころ)新二木彫展～美は細部に宿る」を始めた。同市東雲(しののめ)の工務店に勤めながら独学で創作活動を続け、独創的な作品を生み出してきた政所新二さん（５６）の５年ぶりの展示会。オープニングセレモニーで政所さんは「今年に入り体調を崩し、体を支えてもらいながら命懸けでチェーンソーを使った。企画展は今後の励みとなる」とあいさつした。

　新作１０点を含む３２点を展示。大きな作品は、チェーンソーで形を整えた後、大小ののみで彫っている。高さ約３メートルの柱４本を組み上げて彫物を飾った「龍」や、ネズミがパンをかじって猫の姿を彫る様子を表現した「彫刻家」などが並ぶ。同美術館の白鳥純司学芸員は「伝統的な造形表現に幾何学的な形態と緻密さが加わっている」と話した。

　政所さんは２００６年に第１１回信毎選賞を受賞。日展に１７年までの６年連続を含め計７回入選した。展示会は７月１６日まで。