雨乞いの儀式「下栗の掛け踊り」で軽妙に舞う地元住民や子どもたち=2019年8月

雨乞いの儀式「下栗の掛け踊り」で軽妙に舞う地元住民や子どもたち=2019年8月

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飯田「下栗の掛け踊り」2年ぶり 観覧を一部制限し開く見通し

信濃毎日新聞(2021年7月10日)

 飯田市上村下栗の十五社大明神に伝わる雨乞いの儀式「下栗の掛け踊り」(国選択無形民俗文化財)が今夏は観覧を一部制限して開かれる見通しとなったことが9日、地元自治会への取材で分かった。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止され、開催されれば2年ぶりとなる。近く自治会や踊りの保存会が協議して正式決定する。

 儀式は例年、県外からも観覧客が訪れ、約10メートル四方の社殿に大勢が集まる。下栗自治会によると、今夏は密となる恐れが大きい社殿に人を入れない一方、屋外観覧は制限しない。自治会長の熊谷兼富さん(68)は「飯田下伊那は比較的感染状況が落ち着いており、高齢者へのワクチン接種も進んでいるため」と説明する。

 約400年の歴史があるとされ、毎年8月15日に開かれる儀式は、赤い着物姿の子どもの「子女郎(こじょろう)」が笛や太鼓に合わせ、和紙製の「紙垂(しで)」が付いた傘を振って披露する舞などが見どころ。戦後に途絶えたのを有志が50年ほど前に復活させ、踊りの奉納がないのは昨年が初めてだった。

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