軽井沢町追分宿郷土館で1日、町内で長く暮らしたフランス人浮世絵師、ポール・ジャクレー(1896~1960年)の没後60年を記念した特別企画展が始まった。遺族によると、ジャクレーの全木版画162点を日本国内では初めて展示。オープニングセレモニーには、ジャクレーの遺族やフランスのフィリップ・セトン駐日大使らも参加した。
ジャクレーは3歳で来日し、1944(昭和19)年に軽井沢へ疎開。アトリエを構え、64歳で亡くなるまで多くの作品を制作した。中国や日本の人々を流れるような線と鮮やかな色彩で表現した。企画展では全木版画を「前期」と「後期」に分けて紹介。9月12日までの前期は、ジャクレーが戦前に制作した85点を展示する。
セレモニーでは、ジャクレーの養女の稲垣・ジャクレー・テレズさんが「全木版画が展示されるのは日本では初めて。非常に感慨深く、ジャクレーもきっと喜んでいると思う」とあいさつ。セトン大使は「日本でジャクレーの全木版画が展示されるのはうれしい。後期もぜひ見に来たい」と話した。
ジャクレーの思い出などを関係者が語るミニシンポジウムもあった。9月15日~10月31日までの後期には、戦後に制作した77点を展示する。問い合わせは同館(電話0267・45・1466)へ。