メインの「燈籠舟」を製作する永平寺町商工会ものづくり部会のメンバーら=8月10日夜、福井県永平寺町松岡室

メインの「燈籠舟」を製作する永平寺町商工会ものづくり部会のメンバーら=8月10日夜、福井県永平寺町松岡室

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供養の燈籠舟、心込め完成 永平寺町「大燈籠ながし」8月21日ライブ配信

福井新聞(2021年8月12日)

 福井県永平寺町の九頭竜川河川敷で8月21日夜に行われる「永平寺大燈籠(とうろう)ながし」で、先祖の供養を願う短冊を載せて川へ流す「燈籠舟」の製作が10日夜、完了した。同町松岡室の倉庫で行われた最後の作業には、担当の町商工会ものづくり部会のメンバーら14人が参加。全国から寄せられた短冊5千枚近くを預かる大事な役割を担うとあって、心を込めてちょうちんや大型の灯籠を備え付けた。

 「大燈籠ながし」は町や町商工会でつくる実行委員会が主催。例年は参加者が先祖供養などを願う灯籠を一斉に九頭竜川へ流しているが、今年は新型コロナウイルスの感染防止対策で昨年に続き、事業を縮小。短冊で供養を受け付け、燈籠舟で流す。

 用いる舟は3艘(そう)。メインの大型舟1艘と、小型舟2艘を流す。いずれも町内の個人・事業所から借り受けたり、譲り受けたりした舟で、同部会が8月に入って修繕などの作業を開始した。これまでに小型舟1艘を仕上げ、この日は残る大型舟と小型舟の装飾などを行った。

 大型舟は木製で、全長約6・5メートル。メンバーらは1時間ほどで舟の中央部にちょうちん32個を設置したほか、高さ約1・2メートルの布製灯籠を船首と船尾に1基ずつ取り付けた。ちょうちんは発光ダイオード(LED)で、灯籠はろうそくで明かりをともす。明かりをつけ、仕上がり具合を確認したメンバーは「いい感じになった」と満足そうに汗をぬぐった。

 舟の企画などを担った同部会の会長は「灯籠のろうそくの光は揺らぎがあり、厳かな雰囲気が出る。会場に人が集まれないのは仕方がないことだが、短冊を寄せた人の思いに応えられたらいい」と話した。

 本番当日は一般の来場は不可で、関係者で日没前後に舟を流す様子を、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信する。短冊の受け付けは締め切っている。問い合わせは、実行委事務局(町商工観光課内)=電話0776(61)3921。

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