寄付金を集める実証実験について登山客に説明するガイド(左)=9月18日、上高地インフォメーションセンター前

寄付金を集める実証実験について登山客に説明するガイド(左)=9月18日、上高地インフォメーションセンター前

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登山道整備に500万円超す「賛同」 北アルプス南部

信濃毎日新聞(2021年11月3日)

 環境省中部山岳国立公園管理事務所は2日、北アルプス南部の登山道を整備するため、9~10月に登山者らに寄付金を募った実証実験で541万3311円が集まったと発表した。北ア南部では、登山者らに整備費の負担を求める仕組みを2023年度末までに導入予定。実証実験で行ったアンケートでは仕組みに賛同する意見が多かったとし、森川政人所長は「今回の寄付金形式の仕組みをベースに検討を続けたい」とした。

 実証実験は同省、地元自治体、山小屋などでつくる北アルプス登山道等維持連絡協議会が9月18日~10月18日に実施。コロナ禍で山小屋が登山道維持の経費を捻出しにくくなり、1口500円から寄付を求めた。オンラインで寄付できるQRコード付き看板を登山口に設置。オンライン決済や山小屋にある募金箱で寄付を受け付けた。

 同事務所によると、オンラインでの寄付が多く、1人で10万円を寄付した人もいた。寄付者の総数などは明らかにしていない。登山者の意識を調べるため専用サイトで行ったアンケートへの回答は2100件、サイト閲覧は約1万6千回に上った。

 同事務所は初の試みで注目され、寄付も活発に寄せられた可能性があるとも認識している。12月には自治体や山小屋の関係者らと検討会を開く予定で、森川所長は「利用者の理解を得て、継続して寄付を集められるかが課題。アンケートを分析し、意見を反映したい」としている。

 同協議会によると、北ア南部では昨年度、登山道整備に2664万円がかかった。地元自治体の負担金や山小屋からの持ち出しなどでまかなったという。

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