能「小鍛冶」で躍動感あふれる舞台を披露した宝生和英宗家(左)=金沢市の石川県立能楽堂

能「小鍛冶」で躍動感あふれる舞台を披露した宝生和英宗家(左)=金沢市の石川県立能楽堂

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「芸どころ石川」発信 金沢で能楽、邦楽舞踊公演始まる

北國新聞(2021年12月22日)

 いしかわの伝統芸能プレミアムシアター(石川県主催、一般財団法人県芸術文化協会共催、北國新聞社特別協力)は21日、金沢市の県立能楽堂で県能楽文化協会の公演が始まり、宝生流の宝生和英(かずふさ)宗家が能「小鍛冶(こかじ)」を上演した。県立音楽堂邦楽ホールでは県邦楽舞踊協会の各社中が素囃子(すばやし)、小唄、舞踊を披露し、「芸どころ石川」を発信した。

 刀剣・小狐丸(こぎつねまる)の伝説を題材とした能「小鍛冶」は、変化に富んだ内容で人気が高い。宝生宗家は前シテの童子から後シテの霊狐(れいこ)となり、刀匠・小鍛冶宗近の相槌(あいづち)を打って、名剣を仕上げる場面を躍動的に描いた。

 ワキの宗近を殿田謙吉さん、地謡(じうたい)、後見や囃子方を地元能楽師らが務め、観客はこの地に受け継がれる「加賀宝生」の伝統を感じ取った。刀と狐にまつわる狂言「佐渡狐」を炭哲男さんらが滑稽に演じた。

 県邦楽舞踊協会の公演は、杵望会(きほうかい)の素囃子「船揃(ふなぞろい)」で幕を開けた。北國芸術賞受賞者らが出演し、小唄「島原雨情」「せかれ」では篠登喜(しのとき)さんが唄、花菱(はなびし)は満朝(まあさ)さん、竹枝(ちくし)はる歌さんが三味線で共演した。

 舞踊は藤蔭(ふじかげ)美友喜さんらが「都風流」で浅草の風情を舞い、「藤寿会」の藤間紫寿葉(しずは)さん、藤間三千也さん、藤間恭さんは「花の心」を優美に披露した。

 泉幸志さんによる「まかしょ」の軽快な舞台に続き、藤間勘菊さんらが能を長唄に移した「鶴亀」をめでたく舞った。ゲストの歌舞伎俳優、中村梅枝(ばいし)さんが「鷺娘(さぎむすめ)」を切々と演じ、観客の心に迫った。

 両公演は22日も行われ、能楽は午後2時、邦楽舞踊は同1時に開演する。

 23、24日は県箏曲連盟が県立音楽堂で公演する。チケットはいずれも千円。問い合わせはケィ・シィ・エス=076(224)4141(平日午前10時~午後6時)=まで。

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