阿智村昼神温泉郷の旅館「石苔亭(せきたいてい)いしだ」の能舞台に、約2千体のひな飾りが展示されている。厄よけの神「湯屋守(ゆやもり)大権現ヤークーさま」も中央にどしりと構える。新型コロナ下の地域を元気づけたいとの願いが込められている。
ヤークーさまは、2020年から飾り始めて3年目。当時の阿智第3小6年生から名前を募り、おかみが親交のある映画監督宮崎駿さんが選んだ。今年は黒色と金色のしま模様でとら年を演出。厄を食べてもらおうと口を大きく開いた姿にした。
4月3日までの午前10時~午後2時半、一般客も無料で観覧できる(感染状況によっては中止もある)。家族で訪れた松川町の村沢健博さん(35)は「コロナで遠くに出掛けられない中、地元でこんな所があったのかと再発見した」。長女の南帆ちゃん(2)は大きく開く口に「こわーい」と言いながらも楽しそうにひな飾りを見上げていた。
3月1日からは阿智、根羽、平谷村と飯田市で「中馬ぬくもり街道ひな祭り」が始まり、同旅館など約100カ所でひな飾りを見られる。