若衆や見物客に引かれて動くでか山=2019年5月、七尾市内

若衆や見物客に引かれて動くでか山=2019年5月、七尾市内

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でか山巡行、正式決定 5月4、5日の七尾・青柏祭 ルート短縮で3年ぶり

北國新聞(2022年4月7日)

  ●「地域の伝統次世代へ」

 5月に七尾市で行われる祭礼「青柏祭(せいはくさい)」で、巨大な山車(だし)「でか山」3基が、巡行ルートを短縮して3年ぶりに引き回されることが6日、正式に決まった。コロナ禍以前は大勢の見物客が引き手として連なったが、密を避けるために見送る。でか山の組み立て準備を進める関係者は「地域の伝統を次世代へ受け継ぎたい」と、対策を徹底した上で心意気を示そうと思いを新たにしている。

 巡行を担う鍛冶(かじ)町、魚(うお)町、府中町の代表者らでつくる「青柏祭でか山保存会」が決めた。地元では2年連続の中止により、山車の組み立てや巡行の技術の継承を危ぶむ声が出ていた。

 保存会は各町から医療従事者の若衆ら15人を集め、コロナ対策本部を設置した。3町では組み立て準備に携わる若衆の数を最小限に絞り、抗原検査で陰性と確認できた人のみ、参加を認めるなどの対策を取る。

 でか山は通常、各町の若衆や見物客ら約100人で引くが、今年は見物客は参加を自粛する。引き手が通常の半分程度となるため、巡行ルートは大幅に短縮する。5月4日はでか山が山王町の大地主(おおとこぬし)神社に集まり神事に臨むが、間に合わない場合、途中で引き返す可能性もある。同5日は道の駅「能登食祭市場」やJR七尾駅前は巡らず、仙対橋や各町周辺のみとする。

 七尾四大祭りの一つである青柏祭のでか山巡行は、7月の能登島向田(こうだ)の火祭(ひまつり)、8月の石崎奉燈祭(いっさきほうとうまつり)と、9月のお熊(くま)甲祭(かぶとまつり)の開催にも追い風となるとみられる。保存会の中村巧会長(77)は「観客の皆さんには遠くから見るなどの協力をお願いしたい。全国の他の祭りのために成功例を示せるようにしたい」と話した。

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