額に入った「等伯」の生原稿を見る関係者=七尾市桧物町ののとしんギャラリーかわも

額に入った「等伯」の生原稿を見る関係者=七尾市桧物町ののとしんギャラリーかわも

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直木賞「等伯」生原稿を公開 安部氏が提供「絆深めて」

北國新聞(2022年5月7日)

 七尾生まれの画聖、長谷川等伯の生涯を描いた直木賞作品「等伯」の生原稿の一部が9日から、七尾市で公開される。地元の顕彰団体「等伯会」の依頼に快く応じ、原稿を提供した作家の安部龍太郎氏は「等伯とふるさとの皆さんの絆をさらに深めるきっかけになればうれしい」と語り、等伯生誕の地の振興に役立つことを期待した。

 安部氏が等伯会に寄託した生原稿は「第一章」と「あとがき」の合わせて約20枚。9~13日、のと共栄信用金庫(七尾市)本店2階の「のとしんギャラリーかわも」で開催される、等伯会の活動PR展(北國新聞社後援)で公開される。

 原稿は額に入れられ、それぞれ最初の1ページを見ることができる。安部氏の温厚な人柄を表すような丸みを帯びた文字がつづられ、万年筆によるインクのにじみや修正箇所、欄外にはファクスで原稿を受け取った担当者の名前なども確認できる。

 「等伯」は2011年1月から1年4カ月、日本経済新聞で連載された。北國新聞社の取材に安部氏は「執筆前から七尾の皆さんには取材でお世話になり、たくさんのことを教えていただいた」とあらためて謝意を示した上で「原稿を書き上げて10年のタイミングで(等伯会から)展示のお誘いをいただいた。僕としてもぜひ皆さんに見てもらえれば大変幸せだ」と思いを述べた。

 長谷川等伯については「七尾の誇りであり、世界にPRできる素材だ」と強調。発信力をさらに強め、町おこしに活用することも提案した。

 等伯会の会長を務める大林重治氏(のと共栄信用金庫相談役)は「この世に二つとない、手が震えるほど貴重な資料だ。たくさんの人に見てほしい」と述べ、等伯会の会員増につながることも期待した。

 このほか、PR展では安部氏の直筆色紙、等伯会の活動報告書、関連書籍、図録、ポスター、パネルなどが展示される。開館時間は午前9時~午後6時。最終日は午後3時までとなる。

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