大和が販売する酒かすで育った県産和牛のステーキ用肉

大和が販売する酒かすで育った県産和牛のステーキ用肉

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酒かす育ちの富山県産和牛ブランド化 県・全農県本部

北日本新聞(2022年6月30日)

 富山県と全農県本部は7月下旬から、酒かすを餌にして育てた和牛を、新ブランドとして県内の料理店などで売り出す。最高等級の「A5」ランクが8割以上を占めており、高級路線で販路の拡大を狙う。29日、県農協会館で記者会見を開いて説明した。

 県と全農県本部は2020年度、県酒造組合や県肉用牛協会と連携して酒かすを与えた和牛の飼育に着手した。出荷数は20年度が21頭、21年度は97頭と拡大。22年度は県内産牛の3分の1に当たる200頭を出荷する予定で、県は「需要を高め、600頭まで増やしたい」としている。

 日本食肉格付協会の格付けでは、最高評価であるA5ランクの比率は21年度途中段階で出荷数の87%で、県によると全国トップクラスだという。格付けは、肉付きのA~Cの3段階と、肉質の5~1の5段階の評価の組み合わせで決まる。

 酒かすはトウモロコシなどの飼料に混ぜて与える。栄養価が高く、アルコール成分が食欲を増進して健康を保ちやすいことから、食味の向上が期待される。県が6月に富山短大生ら81人を対象にした試食調査では、柔らかさやジューシーさ、脂の甘味の評価項目でいずれも県外産を上回った。

 県酒造組合によると、製造過程で出る酒かすは販路が限られ、一部は廃棄処分になっていた。飼料として活用することでフードロス削減にもつなげたい考え。

 7月中旬に新ブランドの名称やロゴを発表し、下旬からレストランなどで使ってもらう。頭数が少ないため、一般のスーパーでの販売は予定していない。

 大和が6月からオンラインショップで先行販売を始め、富山店でも注文を受け付けている。ロースステーキ用が約540グラムで税込み1万6200円と高価格だが、県内からの注文が多く、富山店の担当者は「上質志向の高まりもあり、出足は好調だ」と語った。

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