北アルプス槍ケ岳(標高3180メートル)周辺は31日未明、瞬く星が空いっぱいに広がった。山頂近くの槍ケ岳山荘や殺生ヒュッテに宿泊した登山者たちは、山頂で御来光を見ようと夜明け前に続々と小屋を出発。暗闇の登山道にヘッドライトの明かりが連なり、光の筋ができた。
午前3時ごろ、それぞれの山小屋でヘッドライトがちらつき始め、少しずつ槍ケ岳へと動き出した。空が明るく色づき始めると、八ケ岳や富士山のシルエットも浮かんだ。5時前に「槍の穂先」がほんのりと赤く照らされた。
友人と3人で御来光を眺めた埼玉県の会社員関岡弘幸さん(47)は「御来光を見るのは大きなイベント。とても寒かったが、空の色がオレンジから赤へと変わり、日の出を迎える様子を見られて良かった」と満足そうだった。