新潟県十日町市木落の宿泊業・飲料企画販売の合同会社「green36(グリーンサム)」は、地元産のホーリーバジル(神目箒(かみめぼうき))とサルナシを使ったノンアルコール炭酸飲料「十日町ハーバルソーダ」を発売した。十日町を盛り上げ、発信していこうと、地元の珍しい素材にこだわり開発した。市内アート作品巡りのお供や土産物ニーズを見込み、今年は5千本程度の売り上げを目指す。
ホーリーバジルはインド原産のシソ科植物で、華やかな香りが特徴。サンスクリット語で「比類なきもの」の意味がある。サルナシはつる植物の果実でコクワとも呼ばれる。中国のサルナシが品種改良されてキウイフルーツになった。味もキウイに似て爽やかな甘酸っぱさが特徴だ。
グリーンサムは十日町市木落の山家悠平さん(36)と同所の田中智也さん(33)が昨年9月に設立。ホップと米を生産する農家で十日町市議でもある代表の山家さんが、自身が「ホップサイダー」を販売していることから、新たな飲料を作れないかと考え、市内で栽培されているホーリーバジルとサルナシに着目した。
ホーリーバジルは同市松之山黒倉のハーブ茶製造、販売「まつのやま茶倉」から、サルナシは個人農園からそれぞれ調達でき、会社設立前の昨年6月に開発に着手。飲料をプロデュースする東京渋谷区の合同会社SHINRA(シンラ)とともにレシピ作りを進め、今年3月に完成した。製造は佐賀県唐津市の小松飲料に委託した。
味わいは微炭酸の爽やかさの中、サルナシの強い酸味とホーリーバジルの香りがバランスよく、大人向けに仕上げた。手に持ちやすい小瓶にし、ラベルには十日町の自然をイメージした緑と数字の「10」をデザインした。
山家さんは「サルナシ果汁は炭酸と混ぜるとはじけ方が激しくなるので炭酸の比率に苦労したが、予想以上においしくなった」と話す。
グリーンサム副代表の田中さんは、十日町市と津南町で来年開かれる大地の芸術祭を念頭に「訪れた観光客に飲んでもらい、十日町を知ってほしいのでオンライン販売は考えていない」と話し、市内や駅などで販路を広げる考えだ。今後は土産ニーズを取り込もうと数本入りのギフトボックスも作る予定だ。
200ミリリットル入りで590円。現在は道の駅「クロステン」(本町6)など市内3カ所と東京江東区のビアバーで販売している。
問い合わせはグリーンサム、080(3501)7391。