中能登町観光協会が、町名勝「不動滝」の魅力発信に向け、滝行とサウナを組み合わせた一風変わった観光プランを考案した。冷水に打たれた後に室温約80度のテント型サウナに入り、外気に触れることで心身ともにリフレッシュ効果を得られるという。不動滝はパワースポットとしても知られ、担当者は「屋内施設では味わえない究極の『ととのう』を実感できる」と期待を寄せる。
滝つぼの近くに設置されるサウナは組み立て式で、最大3人まで入ることができる。中にはまきストーブが置かれ、好みの温度に調整できる仕組み。テントの一部は透明となっているため、ベンチに座って体を温めながら豪快な滝を眺められる。
テントサウナのレンタル・販売などを手掛ける「LIFE2018」(中能登町)が協力した。同社によると、気温が高い夏場は、滝行で体を冷やした後に高温のサウナに入った方が血行促進やリラックス効果を得やすいという。担当者は「これだけ自然の中でサウナを楽しめるプランは珍しい」と話した。
不動滝は高さ約20メートルで、毎年7月5日の滝開き以降は多くの観光客が無病息災や家内安全を祈って水を浴びる。滝の周囲は木々が覆い、夏場の避暑地としても人気を集めている。
近年は全国的なサウナブームで、サウナによって深くリラックスした状態を「ととのう」と表現される。観光協会は不動滝の知名度をさらに上げようと、サウナとのコラボを企画した。
同協会は今後、観光商品としてプランを売り出す方針で、町はふるさと納税の返礼品とすることも検討している。協会の担当者は「今後も中能登町ならではのプランを考え、多くの人に町のことを知ってもらいたい」と意欲を示した。