石川県内の特産品などを販売している現在のアンテナ店=東京・銀座2丁目

石川県内の特産品などを販売している現在のアンテナ店=東京・銀座2丁目

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移転まで県産品出張販売  東京の県アンテナ店、10月9日閉鎖

北國新聞(2023年9月20日)

 石川県は来年3月にアンテナショップを東京駅八重洲口近くの新築ビルに移転するため、銀座2丁目にある現店舗を10月9日に閉鎖する方針を固めた。現店舗は2014年10月のオープン以来、県産品の販売や観光情報の発信を担い、今年7月末までのおよそ9年で約19億2100万円を売り上げた。移転までの5カ月間、県は北陸新幹線県内全線開業に向けて発信の手を休めることなく、首都圏各地で出張販売を行う。

  ●9年で売上19億円

 現店舗「いしかわ百万石物語・江戸本店」は、北陸新幹線金沢開業半年前の14年10月、銀座2丁目にあるビルの地下1階~地上2階を使って開業し、加工食品や地酒、和菓子、茶、伝統工芸品、生活雑貨を販売してきた。

 20年3月にリニューアルし、物販やイベントのスペースを拡充した。しかし、コロナ禍の最中であり、同年は約2カ月間の営業休止を余儀なくされた。その後は電車内を活用した広報活動など情報発信を強化し、14年のオープンから今年7月末までの来店者数は約203万人を数えた。

 現店舗は3フロアに分かれた使い勝手の悪さが指摘され、東京駅直結の大型複合商業施設「東京ミッドタウン八重洲」に隣接するビルに移転が決まった。

 現店舗の賃貸契約上、4、5カ月ほどかかる現状回復工事が必要となるため、10月の閉店となる。

 県は移転後の新店舗を、来年3月16日の北陸新幹線県内全線開業を首都圏でPRする拠点に位置付けている。閉店から移転までの間は、東京、上野、大宮など首都圏の主要駅や、都内の大手百貨店、大企業オフィスなどで県産品の出張販売を実施する。石川の魅力を切れ目なく発信することで、新店舗にスムーズに移行し、移転の効果を最大限発揮させたい考えだ。

  ●20日から閉店セール

 現店舗では20日から閉店セールを実施するほか、3千円以上の購入者先着60人に閉店までに使える500円分のクーポンを贈る。購入品の送料無料サービスも行う。現店舗で発行していたポイントは新店舗では利用できないため、閉店までに使うよう呼び掛ける。

 新店舗は、柿本商会(金沢市)が手掛ける地下1階、地上12階の複合ビル1階に入る。延べ床面積は350平方メートルで、現店舗の330平方メートルより広くなる上、1フロアに集約して買い物の利便性が向上する。

 都内にある各自治体のアンテナショップは、北陸新幹線の延伸や大阪・関西万博に向けて、てこ入れする動きが出ている。石川県の担当者は「新幹線の開業効果を能登から加賀まで行き渡るようにするために、首都圏で認知度を高める必要がある。石川の魅力を発信し続けたい」と話した。

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