かがり火に照らされた土俵で行われた神事相撲=25日午後9時、羽咋市の唐戸山相撲場

かがり火に照らされた土俵で行われた神事相撲=25日午後9時、羽咋市の唐戸山相撲場

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唐戸山、伝統の力闘  羽咋・かがり火、神事相撲沸く

北國新聞(2023年9月26日)

 2千年の歴史があると伝わる県無形民俗文化財「唐戸山神事相撲」(北國新聞社後援)は25日、羽咋市の唐戸山相撲場で行われた。四隅にかがり火がたかれた土俵で「水なし、塩なし、まったなし」の力勝負が繰り広げられ、最高位の大関の称号は山上啓明さん(44)=内灘町宮坂、会社員=と杉原剛さん(53)=七尾市中島町瀬嵐、会社員=が習わし通りに分け合った。

 加能越の力自慢約150人が集結。午後8時15分ごろに「ドーン、パパーン」と神事相撲開始を知らせる花火が上がり、土俵にかがり火がともされた。

 「前弓」「中弓」の取組後、大関をかけた結びの「奥弓」で上山(加賀・越中勢)の山上さん、下山(能登勢)の杉原さんが土俵に上がると熱気は最高潮に。2人はがっぷり四つに組んで投げを打ち合った後、土俵下に転げ落ち、物言いがついて引き分けとなった。

 両大関は仲間に担がれて約1キロ離れた羽咋神社に駆け込み、結果を報告した。旧七尾商高相撲部の同級生である西田昭二衆院議員にまわしを締めてもらった杉原さんは「伝統を紡ぐ役割を果たせてほっとした」と話した。

 神事相撲前には、4月に復活した「羽咋道場」に通う小学生ら5人がすり足や四股を披露。唐戸山神事太鼓保存会の東澄人君(9)ら6人が勇壮な太鼓で盛り上げた。

 4年ぶりに復活した協賛相撲では、高校生以上による「大決勝」を篠田裕之さん=金沢学院大2年=が制し、北國新聞社寄贈ののぼりを手にした。亡き父は羽咋道場の創設者で唐戸山の大関。篠田さんは「父に優勝を報告したい」と笑顔を見せた。

 神事相撲は、羽咋神社の祭神・磐衝別命(いわつくわけのみこと)が相撲を好んだとされることから命日の9月25日に奉納されている。約700人の観衆が訪れ、姉妹都市・群馬県藤岡市の青木貴俊市議会議長(58)は「歴史ある相撲を間近に見て感激した」と話した。

 大決勝を除く部門の優勝者、上位進出者は次の皆さん。

 ◇協賛相撲▽小決勝 小林力喜(金沢市西南部中3年)▽中決勝 川尻亜門(金市工高2年)

 ◇神事相撲▽前弓関 佐藤秀嗣(内灘町)▽中弓関 崎山大(七尾市)

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