国宝指定の期待が高まる加賀藩ゆかりの古刹で一服を味わう参加者=羽咋市の日蓮宗本山妙成寺

国宝指定の期待が高まる加賀藩ゆかりの古刹で一服を味わう参加者=羽咋市の日蓮宗本山妙成寺

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妙成寺で一服、国宝へ後押し  金沢城・兼六園大茶会

北國新聞(2023年11月6日)

 北國新聞創刊130年記念「金沢城・兼六園大茶会」(石川県茶道協会、北國新聞社など主催)は最終日の5日、金沢、羽咋両市の5会場で茶席が開かれた。国民文化祭(いしかわ百万石文化祭2023)に合わせ初開催された能登会場の日蓮宗本山妙成寺では、心づくしの一服を味わった愛好者が加賀藩ゆかりの古刹(こさつ)の風情に目を見張った。初めて訪れた人も多く、石川の誇る茶道文化が国宝指定の機運醸成を後押しした。

 妙成寺は加賀藩3代藩主前田利常の母寿福院の菩提寺(ぼだいじ)で、五重塔など10棟の木造建築物が重要文化財に指定されている。茶会はそのうちの1棟、書院で開かれた。5代綱紀の休息場として建てられたと伝わる。

 裏千家今日庵業躰(こんにちあんぎょうてい)の奈良宗久さんが席主を務めた。床には利常の消息(手紙)、待合には18代当主利祐氏が手掛けた絵を掛けて前田家ゆかりの歴史を伝え、奈良さんの父で、10月に亡くなった文化勲章受章者の大樋陶冶斎(とうやさい)さんらの茶碗などでもてなした。

 同寺で初めて茶席を設けた奈良さんは「建物のたたずまいから寿福院らが祈りをささげた歴史を感じることができた」と強調。国宝化運動に触れ「こうした歴史を伝え残す機運が高まるよう、茶道が文化の面で後押ししたい」と話した。

 一服を味わった客は書院から庭園を眺めたり、荘厳な建築が並ぶ境内を散策したりして古刹の秋に浸った。金沢市から初めて訪れたという村西桂子さんは「これほどのお寺だとは知らなかった。茶会の会場としても風情があり、もっと広く知ってほしいと思った」と感動した様子で話した。

 茶会には岸博一市長も参加し「盛大な茶会は妙成寺の魅力を県内外に知ってもらうきっかけになった」と述べ、今後も情報発信に取り組む意向を示した。

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