カモ肉と地元の野菜がたっぷりの「割烹 長吉」のカモ汁。最後は餅で締めるのが店のおすすめだ=新潟市西蒲区山口新田

カモ肉と地元の野菜がたっぷりの「割烹 長吉」のカモ汁。最後は餅で締めるのが店のおすすめだ=新潟市西蒲区山口新田

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これぞ割烹の技、極上かも汁が体に染みるぅ~!天然の肉を保存から調理まで丁寧に...地元食材へにじむ誇り 新潟市西蒲区の「長吉」

新潟日報(2024年1月19日)

 田んぼが広がる新潟市西蒲区の潟東地区。この地区の冬の味覚といえば「かも料理」だ。「割烹 長吉」(同区山口新田)では、カモの猟期となる冬場、地元で捕れた新鮮な天然のカモを使った料理を提供する。中でも地元の野菜を使ったかも汁が名物で、シーズンを心待ちにする客も多い。1日に50人ほどの客のうち、7、8割が県外客の日も。地域の食文化の担い手であり、地域活性化にも貢献している。

 カモの猟期は11月15日〜2月15日。昔から猟が盛んだった潟東地区では現在、銃を使うのではなく、網を使って捕獲する手法が取られている。昨シーズン、地元猟師がおよそ2500羽を捕獲し、長吉はその8割ほどを仕入れた。

 ただ、近年猟師は高齢化で減少している。小林修一社長(54)によると「実際に動いているのは15人くらい」。冬は網に雪が積もったり、凍ったりして猟ができない日もある。

 「捕獲したばかりのカモを食べられるかは、運次第」(小林さん)。それだけに、狩猟シーズンに仕入れた新鮮なカモを冷凍処理し、不猟でも夏場でも、おいしく提供できるように工夫を欠かさない。

 調理場は暖房を効かせず、室温が低い。温かいとカモ肉が傷みやすいためだ。かも汁の調理では、カモを手早くさばき、鍋を火にかけ、だし取り用の骨団子、地元の農業法人「新潟ひかりっこ」産のネギなどをたっぷり使う。だしが出たらカモ肉を投入する。

 長吉のかも汁は、食材の味を生かすため、味付けはしょうゆのみ。カモ肉の脂が汁の温度を保ち、具材のネギなどに体を温める効果があるため、特に冬場に好まれる。

 カモの餌は収穫の際に落ちたコメが中心だ。「この辺りのカモは特別いいというよね」と小林さん。地元の食材への誇りがにじんだ。

 かも汁は「かも焼き・かも汁コース」(1人1万4850円〜。要予約)で味わえるほか、持参した鍋で持ち帰りもできる(3人前4320円〜。要予約)。

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 「割烹 長吉」は午前11時〜午後10時。水曜休み。0256(86)2618。

詳細情報

リンク
割烹 長吉 | 田から野鴨 https://longly-luck.com/
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