埼玉県川越市で24日、七尾市の復興を後押しする物産イベントが開かれることになった。「高階(たかしな)」という同じ地名を持つ公民館の交流を縁に、七尾市高階地区の住民が市特産の野菜や地酒などを発信する。訪問事業は約10年ぶりの復活で、七尾側の関係者は震災をきっかけに再び深まった絆をかみしめている。
川越市の恒例行事「小江戸川越春まつり」に合わせ、中島菜や「高澤ろうそく店」の和ろうそく、七尾産の魚の丸干しなどを販売し、義援金も募る。
物産イベントは、川越市高階地区から七尾市高階地区に移住した岡田渉さん(26)が川越市中央商店振興会に「七尾を応援してほしい」と呼び掛けたことで企画された。岡田さんをはじめ、七尾市高階地区活性化協議会の荒川一義顧問や同地区町会連合会の酒井藤雄会長らが参加する。
地名を縁に2001年、七尾市高階公民館と川越市の高階、高階南両公民館が友好宣言に調印し、児童や住民の交流、各種サークルの作品交換が行われた。ただ、10年前ほどから相互訪問はなくなった。七尾で民泊施設の準備を進めている岡田さんは「イベントをきっかけに交流が深まってほしい」と意気込んでいる。