在大阪イタリア総領事館のマルコ・プレンチペ総領事が6月25日、福井県敦賀市の資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」を訪問した。ポーランド孤児やユダヤ難民を受け入れた敦賀の歴史に触れた総領事は「人の温かさに救われる思いがしたし、人間社会の将来への希望を持つことができた」と語った。
総領事は、敦賀ムゼウムの西川明徳館長の案内で館内を約1時間かけて視察。第2次世界大戦中、駐リトアニア領事代理だった杉原千畝が、ナチスドイツの迫害から逃れてきたユダヤ難民に独断でビザを発給した史実を紹介するパネルなどをじっくりと見学した。
視察終了後、総領事は「非常に心を打つ訪問になった。ポーランド孤児やユダヤ難民の苦しみを目の当たりにして改めて悲しい思いがしたが、同時に敦賀の地で温かい助けを受けたことに救われる思いもした」と振り返った。
イタリア政府関係者のムゼウム訪問は今回初めてで、総領事は「イタリアと敦賀ムゼウムとの間でどのような協業関係を結んでいくことができるか模索するのが訪問の目的の一つだった。私たちにとっては、過去に起きたことを決して忘れず、若い世代に伝えていくことが重要な責務だ」と語った。