越前和紙人形作家の高橋輝代さん(76)=福井市灯明寺2丁目=が、北ノ庄城が落城してお市の方と浅井三姉妹が別れる場面のジオラマを制作した。28日にオープンするJR福井駅西口再開発ビル「ハピリン」内に展示し、越前和紙の魅力や福井の歴史を伝える。
ジオラマは、柴田勝家が羽柴秀吉との戦で敗れた際に、自決を覚悟した勝家の妻お市の方が、城内で娘の三姉妹と別れを惜しむ様子を再現した。人形は、泣き崩れる侍女と、何も知らず無邪気な様子の三姉妹を寂しげな表情で優しく抱き寄せているお市の方の計6体。
大きさは高さ13~26センチで着物の形や髪の毛の1本1本まで細部にまでこだわっている。横1・5メートル、奥行き91センチの板の上に城内をイメージした屋敷や庭などがあり、草木や岩なども和紙で作った。屋敷はヒノキを使い、福井工芸産業振興協議会長で、細川丈夫佛壇店(福井市)の細川善弘さん(43)が手掛けた。
作品は約2カ月掛けて制作。ハピリン2階の市観光物産館「福福(ふくぶく)館」近くのスペースに5月9日ごろまで展示する。高橋さんは「和紙の良さを感じてほしい。福井の歴史にも興味を持ってもらえれば」と話していた。