ニホンライチョウの保護活動に取り組む県のボランティア組織「とやまのライチョウサポート隊」の隊員50人は19日、立山・室堂平でライチョウ保護柵の設置活動を行った。生息地で行う初めての活動で、立山室堂山荘周辺の遊歩道沿いの延長1.8キロに、支柱を立てロープを張る作業を行い、登山・観光客のマナーの向上を期待した。
サポート隊はライチョウの保護活動を進めるため、5月に結成された。
隊員らは、立山センター総合活動拠点施設の佐伯栄祥さんから作業の説明を受け、立山室堂山荘周辺や室堂山の登山道沿い、室堂平広場で4グループに分かれて作業。遊歩道沿いのあちこちに雪が残る肌寒い曇り空の下、登山・観光客が遊歩道を外れ、ライチョウの生息地を踏み荒らさないよう、支柱を立て、ロープを巻いて結んだ。
立山に年に2回登るという富山市の男性(69)は、「食べ物の残りやごみを捨てる観光客をよく見掛ける。少しでも生態系の保全につながってほしい」と話した。
サポート隊は、6月から10月にかけてライチョウの生態を調査するほか、生息地のパトロールや、登山者への観察マナーの指導を行う。
活動に先立ち、船平智之県自然保護課長が「ライチョウの生息数が安定しているのは自然保護活動のおかげ」とあいさつした。