戦国時代に武将佐々成政が、厳冬期の北アルプスを富山側から長野側に越えたとされる「さらさら越え」の武者行列が10日、大町市と富山県側を結ぶ立山黒部アルペンルートで再現された。同市平の大姥(おおば)堂では、伝承通りに、成政一行から住民が大姥尊座像(レプリカ)を受け取り、お堂に奉納した
同像は、同堂の本尊で市有形文化財。成政一行が富山側から持ち込み、一行を歓迎した農民たちにお礼として置いていったと伝えられている。この日は富山県側でも別の武者行列を実施。大町の武者行列は、同ルート最高地点の室堂(富山県立山町)で、富山側から同像のレプリカを引き継ぎ、大町に降りてきた。
大町側の武者行列は、同市観光協会などの主催。これまで同ルートが開通する4月に実施してきたが、閑散期を盛り上げようと6月に初めて行った。同堂世話人会の会長吉沢憲良さん(74)は「伝承を地域に伝える機会にしていきたい」と話していた。