小矢部市の石動駅前商店街がにぎわっていたころのシンボル的存在で長く空き店舗だった旧川島屋呉服店に新たなテナントを募集して再生し、商店街の活性化につなげる取り組みが始まる。NPO法人石動まっちゃプロジェクトが4日に開催するコスプレイベントで二十数年ぶりに店のシャッターを開けて活用し、来訪者にPRする。「石動町の象徴的な店舗が"復活"する意味は大きい。商店街の空き店舗利活用のきっかけにつなげたい」と話す。
石動まっちゃプロジェクトによると、川島屋呉服店は市内一の老舗呉服店だったが1994年ごろに閉店した。昭和50年代に店の前の県道が拡幅された際にほとんどの店が建て替える中、古い店構えを残した。昔の石動町の面影を残す建物であることから商店街関係者はまちづくりに生かせないかと長年模索してきたが実現できなかった。
商店街を中心に市民有志が4月に設立した石動まっちゃプロジェクトは若者を呼び込もうとコスプレのイベントを定期的に開催。空き店舗を貸店舗に生かすマッチング事業にも取り組む。
空き店舗にテナントを募集し、新たな息吹で商店街を活性化したいとの思いに川島屋呉服店の持ち主が賛同した。4日開催の「街かどコスプレイヤー&痛車(いたしゃ)コレクション」では和装の撮影スタジオとして開放し、イベントに訪れた若者に利活用をPRする。
メンバーは若者のネットワークや発信力に期待しており、理事長の田悟謙三北日本新聞小矢部西部販売店主や副理事長の島津貴之さんは「昔、街の中の拠点だった場所を中心に商店街が生まれ変わり、他の空き店舗にも興味のある人が入ってくれれば」と話している。