冬の寒さを生かして糖度を高めた「寒締めホウレンソウ」が収穫期を迎えている。高岡市二塚のビニールハウスで5日、出荷作業が行われ、青々と育ったホウレンソウが袋詰めされた。
寒締めは、凍結を防ぐために糖分を蓄える植物の性質を生かすのが狙い。ホウレンソウは10月に種をまき、収穫に適した25センチに育てた後、約20日間かけて低温処理を行い8度以上に糖度を高めた。
5日はJA高岡野菜出荷組合軟弱部会(石丸正一部会長)の副部会長、伏江純男さん(69)=高岡市上関町=が同市二塚のビニールハウスで、妻のかなえさん(68)と初出荷の作業に追われた。伏江さんが30センチ前後のホウレンソウを刈り取り、かなえさんが1袋200グラムで袋詰めした。伏江さんは「通常のものより歯応えが良く、茎のほうほど甘みが強い」と話した。
同部会は13軒の農家でつくる。計44アールでホウレンソウを育てており、2月下旬まで7トンの出荷を見込む。県内のスーパーなどで購入できる。
県は「とやまのカン(寒)カン(甘)野菜」として付加価値を高めた野菜の生産を推奨している。今シーズンは新たにアスパラガスが加わり、15品目が市場に出回る。