関西電力黒四管理事務所(大町市)は28日、冬季閉鎖中の立山黒部アルペンルートが4月15日に全線開通するのを前に、同ルートで運行するトロリーバスの車両を麓の車庫から扇沢駅に運んだ。架線から電気を供給する仕組みのトロリーバスは、1964(昭和39)年の開業から運行し続けてきたが、今年で現役を終える。最終日の11月30日には、セレモニーを開く予定だ。
北アルプス立山連峰を貫く同ルートのうち、トロリーバスは、扇沢駅―黒部ダム駅間の約6・1キロを結ぶ。運行開始から累計6千万人以上が利用し、「トロバス」の愛称で親しまれてきた。来年からは充電式の電気バスに代わる。
今年は、車両の正面に「トロバスラストイヤー」のロゴを施し、側面には黒部ダムのマスコットキャラクター「くろにょん」のイラストを描いた。車両主任の小池勝彦さん(54)は「個々人それぞれに思い出がある車両。おもてなしの心をもって乗客に接したい」と話した。