日本城郭協会(東京)の「続日本100名城」を巡るスタンプラリーが4月に始まり、国指定史跡「増山城跡」(砺波市増山)への来場者が急増している。国内外から大勢の城ファンが訪れ、スタンプが置かれている同市埋蔵文化財センターでも4~7月の来館者が昨年に比べ1.5倍に増加。市教委は「こんなに反響があるとは思わなかった。城の魅力を改めて認識した」としている。
増山城は、砺波平野東部の標高約120メートルの丘陵にかつて存在した大規模な山城。2009年に国史跡に指定され、昨年は日本城郭協会の「続日本100名城」に選ばれた。今年4月から続日本100名城を巡るスタンプラリーが始まっている。
砺波市埋蔵文化財センターにスタンプを、増山城跡近くの観光交流施設「増山陣屋」にスタンプの代わりとなるシールを置いた。開始日の4月6日朝には、同センターの前に一番乗りを狙う大阪からの熱心なファンが現れた。これまで北海道から沖縄まで全国の人が訪れたほか、ほとんど見られなかった香港や台湾、シンガポールからの外国人も来場した。両施設を訪れる人たちの大部分は増山城跡にも足を運ぶという。
増山陣屋では、来場者が思いを書き込むノートの進行が早まり、県外の来場者から「富山県にこんな大きな山城があるとは知らなかった」など多くの感想が寄せられている。
山城は、夏場は草が多く、まともに歩けないところも多いが、増山城跡は住民らによる整備が行き届いており、歩きやすいと評判だという。名誉城主で人気番組・笑点司会の落語家、春風亭昇太さんによる音声ガイドも好評だ。市教委の学芸員、野原大輔さんは「来てくれた人たちに、より楽しんでもらえるよう、おもてなしに磨きをかけたい」と話している。