■経費節減し競演会充実
南砺市で毎年9月に開催される「城端むぎや祭」を主催する城端むぎや祭協賛会(岩田忠正会長)は、祭の呼び物の一つとして2000年から継続してきた恒例の「じゃんとこいむぎや」を、来年秋から中断する方向で検討に入った。祭の運営資金が逼迫(ひっぱく)する中、来年の70回の節目に向け、課題となっている競演会の雨天対策強化に資金を充てたい考えだ。
城端むぎや祭は9月中旬の2日間、城端地域中心部で、地元の町内や団体が伝統の唄や踊りを披露する。じゃんとこいむぎやは祭の活性化を狙い、2000年にスタート。麦屋節などの民謡を現代風にアレンジし、よさこいグループや地元小学生が路上やステージで華やかなパフォーマンスを披露する。近年は市内外から25団体程度が出演。祭のにぎわいづくりに貢献してきた一方、音響や照明などに多額の費用がかかることなどから、協賛会は催しの在り方について議論を重ねてきた。
24日の理事会では、役員が祭の雨天対策を軸に話し合った。城端別院善徳寺境内で開かれる「むぎや踊り競演会」は、ステージが濡れて使えなくなることが多いことが課題に挙がった。来年の祭で観光客に快適に楽しんでもらえるよう、大型テントを設けることについて協議。設置にも多くのコストがかかることから、じゃんとこいむぎやを中断する方針が示された。
岩田会長は「幅広い世代に民謡を知ってもらう大切な催し。継続したい気持ちは強いが、資金面が苦しい」と話した。
理事会ではこのほか、踊り手や地方(じかた)衆の担い手を育成する協議会を発足させることなどを話し合った。