長野市新諏訪の諏訪神社の秋祭りで23日夜、市無形民俗文化財の「瓜割(うりわり)煙火」が奉納された。180年余り続く伝統行事。勢いよく火花が出る仕掛け花火に、境内に集まった住民が見入った。
江戸時代後期に流行した疫病が、花火を奉納したところ収まったと伝わる。氏子の地元住民が毎年続けている。花火は市内の業者の指導を受け、地元保存会が製作。頭上に張られた綱に設置された花火から滝のように火花が落ちると、訪れた住民が「きれい」「すごい」と声を上げた。
花火に先立ち、地元の若者らは十数人ずつ二手に分かれ長持ちを担ぎ、地区内の計約100軒を回った。民家の軒先で「めでたやあ」などと長唄を披露し、お祝いの手持ち花火を上げた。祭りの責任者の児玉孝史さん(58)は「若い人と一緒に伝統の行事を続けていきたい」と話していた。