大町市社の国宝「仁科神明宮」で15日、20年に一度の式年遷宮祭が始まった。夜は本殿がライトアップされ、境内は華やかで厳かな雰囲気に包まれた。16日午前0時、ご神体が近くの仮殿から本殿に戻る「遷座祭」が始まった。
仁科神明宮のうち国宝は本殿と中門、本殿と中門をつなぐ「釣屋(つりや)」。伊勢神宮(三重県伊勢市)の領地だったことから、同様に20年ごとに本殿の建て替えや修復をしてきた。現存の本殿は1636(寛永13)年の建築で、日本最古の神明造りとされている。
15日午後6時、社叢(しゃそう)にたたずむ本殿に光が当たると、集まった参拝客は「きれい」「いつもこうならいいのに」と歓声を上げた。氏子総代の一人、横沢俊幸さん(65)は「多くの人が参拝に来てくれて感謝している。これからも開かれた仁科神明宮にしていきたい」と話した。