福井県坂井市の越前松島水族館は6月23日、県域絶滅危惧1類に登録されている県産の「シャープゲンゴロウモドキ」の一般初公開を始めた。
公開に合わせ、地元の雄島小5年生が水族館を訪れて観察。スタッフの大貫由芽さん(23)から生態や希少種を生息地以外で保全する意義を学んだ。
ゲンゴロウは北陸3県などに生息。体長3センチで、深緑の体に黄色の縁取りがある。大貫さんは「幼虫の時はオタマジャクシを食べ、1カ月間土の中で眠って成虫になる」と説明した。
環境悪化や埋め立てによる生息地の減少、外来種アメリカザリガニの侵入、マニアの乱獲で激減しているという。大貫さんは「水族館で数を増やし、野生に放つことで絶滅を防ぐことができる」と強調。「生き物にはそれぞれ役割があり、人間を支えてくれていることを知ってほしい」と呼び掛けた。
男子生徒は「絶滅危惧種だと初めて知った。見つけた時はそっとし、自然や生き物を大切にしたい」と話していた。
同館では2012年ごろから飼育、繁殖を始めた。おさかな館で6匹を展示している。