版画家で福井県福井市越廼、国見地区の地域おこし協力隊のおさのなおこさん(43)=同市茱崎町=の作品展が、同市浜北山町の「cafe Earth(カフェ アース)」で開かれている。越前海岸沿いの暮らしの中で感じた魅力を抽象的に表現した木版画8点が並んでいる。10日まで。
おさのさんは東京都の美術系専門学校を卒業後、山梨県と東京の2拠点で版画家として活動を始めた。「子育てと創作を田舎でしたい」と2019年に家族4人で福井県へ移住。以来、越前海岸沿いの生活をテーマに創作活動をしている。
「作品に文学的な要素を入れる。詩の世界観を越前海岸を舞台に再構築する感じ」と話すおさのさん。「I・ZU・MI」は、ハンセン病患者だった詩人、塔和子さん(1929―2013年)の詩「泉」から着想を得た。湧き水が飲めたり動物を近くに感じたり、山と海が近い暮らしの豊かさを木々や空、天使を描くことで表現した。