安曇野市の穂高神社で17日、春の訪れを告げる恒例神事「奉射(おびしゃ)祭」があった。神楽殿の前に設置した大的(直径約1・6メートル)に向けて神職が鏑矢(かぶらや)を放ち、新型コロナウイルスの感染収束や家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
清めの矢を放っておはらいをした後、約10メートル離れた大的を狙って神職9人が交代で12本の矢を射った。矢が的中すると歓声が上がり、御利益があるとされる矢を参拝者が取り合い、持ち帰った。
かつては矢の当たり方で1年の天候や農作物の豊凶を占った。今年は4本が当たった。矢を1本獲得した同市穂高柏原の会社員、佐藤仁さん(46)は「家族が健康で過ごせ、世界が平和な年になってほしい」と願っていた。