福井県坂井市の「三国祭」開幕日の5月19日夜、勇壮な人形山車1基を巡行させる「宵山車(よいやま)」が初めて繰り広げられる。本番を控え、企画した三国祭保存振興会青年部会は「史上初の初陣に、楽しみ半分、緊張半分だが、大成功を収めたい」と意気込んでいる。
少子高齢化が進む中、若者が主体的に参加できる三国祭をつくろうと青年部会が発足し、昨夏から三国コミュニティセンターを拠点に本格的に活動を始めた。現在は10代後半から40代までの17人がメンバーとなり、月に1回、日程やコース、巡行時間、人手などを協議してきた。
宵山車は三国祭開幕の"火付け役"としての役割を担うほか、メンバーがひき手として巡行の経験を積むことで、人手が足りない区への応援につなげたいとの思いがある。
巡行するのは保存振興会の山車「伊達政宗」の1基。黒を基調とした甲冑、兜には三日月の前立てが光る。16本の「高張り提灯」を伴い、午後6時半に三國神社前を出発し、四日市から中元区までを練り歩く。
囃子方は「三国祭囃子初香会」の23人が務め、オリジナルの「宵山囃子」を演奏。「三国節」が盛り込まれ三国祭では珍しい歌詞付きのお囃子となっている。
三国祭は19~21日に開かれ、中日(20日)は勇壮な人形山車7基が練り歩く。宵山車巡行では、中日には見られない仕掛けが山車に施されるという。青年部会長は「一風変わったスタイルでの巡行を楽しんでもらえれば」と話している。