日本酒「女将」の酒かすを使った新商品のへしこを手にするあわら温泉の女将=10月20日、福井県あわら市の「べにや」

日本酒「女将」の酒かすを使った新商品のへしこを手にするあわら温泉の女将=10月20日、福井県あわら市の「べにや」

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酒かす✕へしこ...おいしく健康に あわら温泉「女将の会」が商品化

福井新聞(2022年10月24日)

 福井県あわら市の金津創作の森美術館で開催中の企画展「発酵ツーリズム にっぽん/ほくりく」(福井新聞社後援)に合わせ、あわら温泉女将(おかみ)の会が、同会オリジナル日本酒「女将」の酒かすで漬け込んだへしこを商品化、10月22日に同美術館で限定販売する。塩味が抑えられたまろやかなサバのへしこで、同日は企画展を監修した発酵デザイナーの小倉ヒラクさんと女将たちが"発酵トーク"も開催、福井の発酵文化をアピールする。

 女将の会は9年前から、地元農家や酒造会社と酒米づくりから仕込みまで取り組むプロジェクトを展開、純米吟醸酒「女将」が生まれた。しかし製造過程で出る酒かすは、大部分が廃棄されてしまうため、ババロアやかす漬けなどの商品化に活用されてきた。

 福井の代表的な発酵食へしこにも着目。小倉さんとの勉強会、醤油メーカーや酒造会社での研修を通じ、発酵についての理解を深めてきた。

 越前水産(福井市)の協力で、米ぬかや塩、秘伝のたれで1年半漬け込んだサバを、さらに「女将」の酒かすを使い、約2週間漬け込みへしこに仕上げた。酒かすを使うことで塩分が半分ほどに抑えられ、味もまろやかになるという。パッケージには、あわら市の花ハナショウブをデザインした。

 企画展では、北陸の代表的な発酵食として、へしこも展示されており、同日午前10時からは、来場者向けに小倉さん本人がアテンド解説を行う。また午後2時からは、小倉さんと女将の会のトーク会があり、へしこ作りのポイントや発酵食と健康について語り合う。

 女将の会の奥村さん(べにや)は「脱塩で健康にいいへしこを、地域の人の協力で作ることができた。あわら温泉から未来につながる発酵文化を発信できれば」と話している。

 へしこの販売は、午前10時~午後4時。限定140本。価格は1800円(税込み)。一般販売は来年1月以降に、あわら温泉の13旅館で行う。

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