諏訪・茅野市境の車山(1925メートル)山頂にある車山神社で10日、開山祭が開かれた。諏訪市郊外の霧ケ峰高原や車山一帯は5月に大規模火災が起き、山頂近くまで延焼。ハルゼミが鳴く中、本格的な夏山シーズンを前に山の安全とにぎわいを願った。
車山高原観光協会(茅野市)が主催。地元のペンション経営者など観光関係者ら約40人がリフトを乗り継いで山頂へ向かった。神社からは青々とした高原植物が戻った一帯を望むことができ、参加者は登山客が見守る中で安全を祈願した。
群馬県高崎市から友人3人と初めて訪れた会社員の佐藤亜希子さん(48)は、開山祭に飛び入り参加して「天気もいいし、気持ちがいいし、恵まれています」と笑顔だった。同協会の稲葉浩一会長(42)は「火災で車山神社や人に大きな被害がなくて良かった。多くの人に来てほしい」と願っていた。
大規模火災は5月4日に発生。霧ケ峰高原や車山一帯に広がり、同5日に鎮火した。諏訪・茅野市境のガボッチョ山の山頂付近から出火し、約166ヘクタールを焼いた。