松本市の中心市街地で開かれた「松本あめ市」最終日の11日、来場者や地元住民が上杉、武田の両軍に分かれて綱を引く「塩取合戦」が本町通りで行われた。戦国武将の上杉謙信が武田信玄に塩を送った故事にちなむ3本勝負の攻防を人垣が取り囲み、声援を送った。
1回目は男性来場者、2回目は女性来場者が両軍40人ずつで引き、3回目は本町1丁目のみこしの担ぎ手が上杉軍、本町2丁目の担ぎ手が武田軍になって競った。「おい、おい」という周囲の掛け声に合わせて歯を食いしばり、1勝するごとに、仲間とハイタッチをして喜んだ。
今年は武田軍が2勝1敗で勝利。武田軍に加わった会社員佐藤武文さん(32)=松本市寿北=は「去年負けたので、リベンジができてうれしい」と顔をほころばせた。
あめ市は地元商店街などでつくる実行委員会主催。歩行者天国になった通りでは、七福神の格好をした人らが歩く時代行列があり、客たちが盛んに写真撮影。だるまやあめのほか、鶏肉料理「山賊焼き」や地元農作物を売る店が出て、家族連れなどでにぎわった。