松本市の松本城公園を主会場に開いた第29回国宝松本城氷彫フェスティバルは最終日の12日、県内外の13チームが氷で作った彫刻のコンクールを行った。来場者も参加した審査で、神奈川県の平田謙三さん、浩一さん親子が制作した波しぶきを立てる大ワシが最優秀の金賞に選ばれた。
作品は、11日午後6時から12時間の制限時間内に、氷のブロック(重さ135キロ)15個をのこぎりやチェーンソーを使って仕上げた。よろい姿の武士が前脚を上げた馬にまたがる姿や、ホオジロザメが獲物に向かう様子など、雄大な構図を緻密に彫った。夜の雪でうっすらと雪化粧した作品が松本城を背景に並んだ。
快晴となった12日は、多くの来場者が日光をきらきらと反射させる彫刻の写真を撮っていた。家族4人で訪れた横浜市の小学2年生の薦田(こもだ)千代さん(8)は「本物みたいでびっくりしました。動物や魚の作品がお気に入り」と笑顔だった。