信濃町古間の国道18号とJR信越線が交わり、黒姫山が望める撮影スポットで、雪原を走る列車を写真に収めようと連日、大勢の鉄道ファンが集まっている。3月の北陸新幹線(長野経由)金沢延伸開業に伴い、しなの鉄道(上田市)がJR東日本から信越線長野―妙高高原間を「北しなの線」として引き継ぐため、JRの車両がこの区間を走るのはあとわずか。青空が広がった24日は、多くの人がカメラを向けていた。
鉄道ファンらのお目当ては、長野―直江津間を走る「189系」。長野新幹線開業前に上野―長野間を「特急あさま号」として運行され、現在は長野―塩尻間も走っている。長野―直江津間は普通列車(一部快速)として1日3往復。JR東日本長野支社によると、延伸後は長野―塩尻間の下り1本のみの運行となる。
この日は、黒姫山を背景に雪で真っ白になった田園を緑色の車両(6両編成)がゆっくり走ってくると、シャッターの音が響いた。名古屋市から友人ら4人と訪れた会社員の寺沢秀樹さん(54)は「学生時代は旅行や鉄道の写真を撮るため、よく特急あさま号に乗っていたので愛着がある。四季を通して撮影に通ったが、冬の光景が一番好き」と話していた。