昨年9月27日の御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)噴火の影響を受け、開業を見合わせていた木曽郡王滝村のスキー場「おんたけ2240」で26日午前、今季の営業が始まった。午前9時のゴンドラリフト運行開始前には、村と運営会社の関係者らが安全を祈願。テープカットをして、約2カ月半遅れの開業を祝った。5月10日までの営業を予定している。
スキー場のゲレンデ上部は噴火直後、火口から4キロ圏内の入山規制区域に入った。今冬は昨年12月5日の開業を予定したが、規制が続いて開業は見送らざるを得なかった。今年1月19日、気象庁は火山活動が低下傾向にあるとして規制を3キロ圏内に縮小。運営会社の御嶽リゾートと村が急ピッチで準備し、この日の開業にこぎつけた。
ゴンドラ乗り場では、シーズンの安全を祈願する神事を行った後、利用客代表の看護師作野結子さん(37)=王滝村=と瀬戸普村長、運営会社の御嶽リゾートの母体、マックアース(兵庫県養父市)の一ノ本達己社長の3人でテープカットをした。乗り場には開業を待ちかねた約200人が列をつくり、ゴンドラに乗り込んでゲレンデへと向かった。
スキー場は噴火に備え、最上部に避難誘導のための屋外スピーカーを増設。休憩施設やリフトの格納庫など12カ所を避難場所と位置付け、計約300個のヘルメットを配備した。リフト券購入者には、避難場所などを記した防災マニュアルを配る。
一ノ本社長は「1日でも早くオープンさせたいという思いでここまで来た。一人でも多くのお客を迎えられるようにしたい」。瀬戸村長は「噴火で犠牲になった人がいる以上、もろ手を挙げてということにはならないが、開業はうれしい。村の経済活性化の第一歩としたい」と話していた。