7年目に一度の御開帳が行われている長野市の善光寺で9日、期間中盤のハイライト、浄土宗の中日庭儀(ちゅうにちていぎ)大法要が行われた。盛装した大本願の鷹司誓玉(たかつかさせいぎょく)上人や一山住職らが本堂前で読経し、女児らが舞う華やかな儀式を大勢の参拝者が見守った。
前回2009年は雨だったが、この日は曇りの穏やかな日和。稚児や古式の装束をまとった500人超の行列が輿(こし)に乗った鷹司上人と共に大本願から回向(えこう)柱前へ進んだ。庭儀式では、雅楽の調べに乗って、淡い白と桜色の狩衣(かりぎぬ)をまとった女児12人が本尊をたたえる礼讃(らいさん)舞を披露。頭にかぶった金色の宝冠が薄日に輝いた。
この後、住職らは回廊上からハスの花びらをかたどった五色の紙片(散華(さんげ))をまき、参拝者らは歓声を上げながら、ひらひら舞い落ちる紙片に盛んに手を伸ばした。「すごい人垣で(法要の様子は)何も見えなかった」。夫らと訪れた諏訪郡下諏訪町の林和子さん(66)は少し残念そうだったが、黄色い散華を大事そうに手にして、「見ず知らずの方が譲ってくださった。きっとあの方にも御利益があるはず」と話していた。