毎年7月に開く長野市の篠ノ井祇園祭で披露する市無形民俗文化財「篠ノ井大獅子」が17日、善光寺御開帳期間中の中央通りや善光寺境内で披露された。篠ノ井の2地区の獅子行列が、重さ60キロほどもある獅子頭を右に左に揺らしながら勇壮に進む行列に、見物客は大興奮。善光寺境内では市街地に伝わる別の獅子舞も登場して御開帳を盛り上げた。
篠ノ井大獅子が御開帳に合わせて披露されるのは、2009年の前回に続き2回目。篠ノ井地区の住民や企業でつくる「篠ノ井大獅子奉納会」が地元に呼び掛け、地元小中高校の吹奏楽部などのメンバーや各種団体から前回を上回る約2400人の大行列が中央通りを練り歩いた。芝沢区、内堀区の順に進み、獅子舞に続く屋台の上で舞う芸妓(げいこ)も目を引いた。
上水内郡飯綱町から訪れたパン店勤務の渡辺隼人さん(35)と妻の愛さん(38)は「ダイナミックで迫力満点。篠ノ井の祇園祭を見に行きたくなった」と話していた。
一方、善光寺境内の六地蔵前では、市街地にある八つの保存会のメンバーらが、伊勢神宮(三重県)から伝わったという「善光寺平神楽」の獅子舞を披露。篠ノ井大獅子とは異なり、小ぶりな獅子頭のゆったりとした所作に参拝客の盛んな拍手が送られた。