昨年9月に噴火した御嶽山の山腹で運行する「御岳ロープウェイ」(木曽郡木曽町)が6月6日に今季の運行を始めるのを前に、運営するアスモグループは27日、山麓側の鹿ノ瀬駅近くで安全祈願祭を開いた。この日は死者57人、行方不明者6人を出した噴火から8カ月の節目。噴火時刻の午前11時52分に合わせて出席者で黙とうし、犠牲者の冥福を祈り、シーズンの安全を願った。
同社や町、観光関係者ら約50人が出席。神事の後、山に向かって全員が花を手向けた。原久仁男町長は「行方不明者が6人いて、これから捜索も予定されている。そんな中での運営には複雑な思いがあるが、何とかお客様に戻ってもらえる施設にしないといけない」とあいさつした。
御岳ロープウェイは夏山から秋山シーズンに運行。鹿ノ瀬駅(標高1570メートル)と7合目手前の飯森高原駅(同2150メートル)間を結ぶ。昨年は、噴火で営業中止を余儀なくされた。利用者は、5万人余にとどまり、前年のほぼ半分となった。
6月4日には噴火を想定した避難訓練をするほか、運行開始までに飯森高原駅に非常時用の放送設備を設けるなどの安全対策を整える。今孝志社長は「噴火は起きないでほしいが、起きたら客の安全は守る。そんな決意で営業していきたい」と話していた。