夕食後に下宿の食堂で米国人大学生の旅行客と話す信州大の下宿生たち=2日夜、松本市

夕食後に下宿の食堂で米国人大学生の旅行客と話す信州大の下宿生たち=2日夜、松本市

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信大生の「下宿」に旅行者 松本の大家、空き部屋活用

信濃毎日新聞(2015年6月5日)

 信州大松本キャンパス(松本市)に通う学生向けの下宿「ハウスエンドウ」(同市蟻ケ崎)が、5月から旅行者の受け入れを始めた。下宿の空き部屋を有効活用しようと考えた大家の滝沢俊子さん(57)が、宿泊施設紹介の海外のインターネットサイトに登録したところ、4日までに日本を含め5カ国計13人が宿泊。下宿生との交流も生まれており、下火になりつつある下宿の新たな魅力づくりに―と期待を膨らませている。

 ハウスエンドウは信大生向けの下宿として30年ほど前からあり、滝沢さんは2013年に建物を買い取って夫婦でオーナーになった。ベッドや机が付いた6畳一間を基本に十数部屋あり、現在は1年生8人と3年生2人の男子学生が暮らす。空いた部屋に客を泊める。風呂やトイレは共同で、宿泊客にも朝食と夕食の2食が出る。

 宿泊料が比較的安く、日本の日常の暮らしに触れられることから、欧州や中国などから家族や友人同士の旅行客が訪れる。2日夜は、米コロラド州出身で関西外国語大(大阪)に留学中の男子大学生2人が宿泊。食事後に下宿生と日本語や英語で会話やテレビゲームを楽しんだ。トミー・ホフマンさん(21)は「(信大の下宿生と)コンピューター科学について話したのが楽しかった。とても愉快な空間」。下宿生たちは漫画や方言などを身ぶり手ぶりを交えて伝えていた。

 信大によると、昨年度の在籍生対象のアンケートで下宿生の割合は約4%。松本キャンパス近くの不動産業者によると、学生の住居選びで下宿が選択肢に入ることは少ないという。

 ハウスエンドウで暮らす愛知県出身の1年林道正さん(18)は「友達ができるか不安で下宿にした。毎日愉快で、仲間に恵まれて頼もしい」。外国人旅行者が訪れることについても「盛り上がって楽しい」と話す。滝沢さんは「普段は会えないような人との出会いの場にし、下宿の魅力を広げていきたい」と意気込んでいる。

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