名古屋市港区にあるJR東海「リニア・鉄道館」の金子利治館長(66)=松本市出身=が、30日で退任する。就任して4年半余り。今年5月には入館者300万人を達成した。日本の鉄道技術の進歩と近未来の鉄道の姿を見て体験できる施設として、海外にも知られるようになった―とし、「長野県からも大勢の方にお越しいただき、うれしかった」と振り返る。
長野高専(長野市)機械工学科を卒業した1969(昭和44)年、当時の国鉄に就職。機関士を務めたこともあり、中京圏で主に技術畑を歩んだ。民営化後のJR東海では人事部や総務部、広報部を経験し、2010年12月に「リニア・鉄道館」の初代館長に就任した。
開館は11年3月。館長としては、国外約50カ国の約千人と国内の約5千人を案内した。火曜が休館日のため、入館者と接する最終日となった29日も対応した。
今後は経験を生かして、企業の品質管理活動や人材育成などの手助けをする予定だ。そば打ちが趣味で、「名古屋長野県人会のお手伝いもしなければ」と話している。