発酵食品によるまちづくりを進めている木曽町は9月14、15日、発酵文化を学ぶ催し「はっこうのがっこう」を町内各地で初めて開く。専門家を招き、町内の酒蔵やみそ蔵を歩くほか、全国各地の発酵食品を食べ比べ、地元の食品の特徴を考える。今回を皮切りに本年度内に3回の催しを企画しており、地域に根付く食文化を町内外にアピールする。
初日は、東京農大の岡田早苗教授ら3人の研究者と共に七笑酒造、中善酒造店、みそ醸造の小池糀店の3カ所を見学。その後、千村茶屋で地酒や郷土食を味わい、各地で醸造家と商品開発をしている発酵デザイナー小倉ヒラクさんも交えて研究者の話を聞く。
続いて、2人組の音楽グループ「たゆたう」によるライブがある。町は現在、発酵に関するアニメーションを制作中で、音楽部門をたゆたうのイガキアキコさんが担当。このアニメで使う音楽も披露する予定だ。2日目は、千村茶屋で各地の発酵食品を用いた料理を味わい、木曽町の食品の特性を考える。
町は昨年9月に発酵食品振興条例を制定し、発酵食品の普及、食文化の発信に取り組んでいる。町農林振興課の担当者は「発酵文化を町の観光資源にしていきたい。堅苦しくない催しなので、体験してみて」と呼び掛けている。
年内はさらに、11月にカブ菜を乳酸発酵させた伝統の漬物「すんき」について学ぶ催しを開く。来年は、地元の小中学生を対象にした講座の開催も計画している。
今回の参加費は両日で7千円。初日は午後1時、2日目は午前9時半から。宿泊が必要な人は町が施設を紹介する。申し込みは農林振興課(電話0264・22・4390)へ。