噴火災害から1年が過ぎた御嶽山の麓のスキー場で29日までに、冬に向けて開業準備が本格化した。噴火後の昨季は開業が大きく遅れた木曽郡王滝村のスキー場「おんたけ2240」は通常通りの営業開始と集客が目標。御嶽山のハザードマップが今夏改定され、火砕流などの到達想定範囲に新たに入った同郡木曽町の開田高原マイアスキー場は、集客への影響を懸念しながらの作業だ。
おんたけ2240では29日、運営する御嶽リゾート(王滝村)の社員ら数人がゲレンデに散らばっていた。腰の辺りまで伸びた草を、草刈り機や手作業で手際良く刈り取っていた。
同スキー場は昨季、今年2月26日から2カ月間だけの営業で、来場者は約2万2700人と前季の3分の1にとどまった。今季は入浴施設「ざぶん」を4季ぶりに復活させ、12月4日の仮オープン、翌5日に本オープンの予定。集客目標は7万人で、同社の栗屋文則総支配人(61)は「入浴施設の復活などで、人を呼び込みたい」と話している。
昨季の開田高原マイアスキー場は昨年12月13日〜4月19日に営業し、来場者は約4万5千人と前季の93%。今冬も12月上旬の開業を検討しているが、運営するアスモグループ(木曽町)の今孝志社長(61)は「ハザードマップ改定の影響があるのかどうか読めない」と懸念もにじませた。
県内の冬の観光誘客を進める官民組織「『スノーリゾート信州』プロモーション委員会」は、12月5日におんたけ2240と開田高原マイアスキー場でプレイベントを開き、同19、20日の全県一斉の初滑りイベントをPRする計画だ。