都内の旅行会社が、御嶽山麓の散策と御岳ロープウェイの乗車を組み合わせて10〜18日に運行する日帰りバスツアーを企画したところ、人気を呼んで1日までに1700人余の申し込みが寄せられた。山麓の民有地で、普段は立ち入れない倉越(くらごえ)高原を歩くことができるのが目玉。一方、木曽郡6町村や県、観光団体などでつくる「木曽観光復興対策協議会」は、9日から郡内の宿泊施設に泊まる人向けの優待券を発行する予定で、噴火災害で打撃を受けた木曽の観光に光を当てる試みが本格化している。
バスツアーは「クラブツーリズム」(東京)が企画。同社名古屋テーマ旅行センター(名古屋市)によると、昨年は噴火で取りやめたが、今回の半分ほどの申し込みが寄せられていた。
同センターは、倉越高原からは御嶽山だけでなく、北アルプス、中央アルプスの眺望も楽しめるため、人気が出ると判断。観光面で苦戦している木曽郡木曽町の応援にもつながるとして実施を決めたという。昼食も同高原で味わう予定だ。
バスは期間中、中京方面を中心に連日出発し、延べ約40台に上る見通し。6月6日の営業開始以降に御岳ロープウェイを訪れた観光バスの台数に匹敵するという。ロープウエーを運営するアスモグループの今孝志社長(61)は「噴火後としては断然に大きなツアーなのでありがたい。倉越高原からの眺めは、御嶽山に近すぎず、遠すぎず、お勧めできる」と期待している。
木曽観光復興対策協議会の優待券発行は、昨年に続く試み。御岳ロープウェイと赤沢自然休養林(上松町)の森林鉄道の乗車券セットと、郡内のスキー場の1日リフト券、協賛施設の2千円分の買い物券の3種類発行する。