金沢市寺町5丁目の天台眞盛(しんせい)宗西方寺は申年(さるどし)にちなみ、今年の最初の「庚申(かのえさる)」の日に当たる8日、「庚(こう)申(しん)さん」と呼ばれる青面金(しょうめんこん)剛(ごう)明王像を公開する。田畑智(ち)海(かい)住職が昭和50年代まで同寺で行われていた寝ずの行「庚申講(こうしんこう)」について解説する。
庚申信仰では、庚申の日の夜に体内にすむ虫が抜け出し、天帝にその人の罪過を告げることを防ぐため、僧侶や信者が寺に集まって一睡もせずに一晩過ごす庚申講を営む。西方寺では60日に1回来る庚申の日に講を行ってきたが、信者の高齢化に伴い、講の開催を取りやめた。
少なくとも350年以上同寺に伝わる青面金剛明王像は高さ約60センチの木仏で、ヘビの髪を炎のように逆立たせ、三つの目と牙を持つ。老朽化が進んでいたため、10年ほど前に修復し、鮮やかに彩色してある。